日本人女性は51~55歳に閉経を迎える方が多く、一般的には45~55歳の約10年間を更年期と呼んでいます。
女性として生まれた以上、更年期にあらわれる症状はつきもの、と諦めている方もいるのではないでしょうか?イソフラボンは女性の身体の調子を整える働きがあり、特に更年期障害の予防・改善に高い効果を発揮します。
そこで今回は、イソフラボンが更年期障害の症状にどう働きかけてくれるのか、ご紹介していきます。
閉経を迎えると、卵巣の機能が衰え、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」の分泌量が大幅に減少します。
エストロゲンの分泌量が少なくなると、ホルモンバランスが乱れ、これまで正常に働いていた身体の機能が衰えてしまいます。
また、脳はエストロゲンの減少を察知して、視床下部から卵巣に対して「もっとエストロゲンを出せ」と命令を送ります。
ですが、衰えた卵巣はエストロゲンを出すことができないため、視床下部がパニック状態になってしまいます。
視床下部は、身体の生理機能に関わる重要な働きを持つ器官です。
そのため、視床下部が混乱してしまうと自律神経が誤作動を起こし、心身に様々な影響を与えてしまいます。
つまり、ホルモンバランスが影響して引き起こされた、自律神経の乱れが、更年期障害の症状なのです。
更年期は女性なら誰でも訪れるものですが、症状には個人差がみられます。
ストレスなどの精神的な影響、子育てや介護といった環境にも左右され、症状を強く感じる人、全く感じないままに過ごす人もいます。
身体的、精神的な症状があり、不調を感じる場所も多岐に渡ります。
また、症状がひとつの場合もあれば、二重、三重と重なって
あらわれる場合もあります。
こららの症状のうち、ホットフラッシュは閉経後から多くなる症状です。
約6割の方が経験するといわれ、顔や頭、胸にほてりを感じ、
数分間持続します。
止まらないほどの汗が吹き出たり、ドキドキが治まらないなど程度も個人差があり、約1割の方は日常生活に
支障をきたしているとされています。
更年期はホルモンバランスが崩れやすい時期です。
この時期は誰でも女性ホルモンが減少していくため、避けて通ることはできません。
ですが、女性ホルモンの代わりとなる成分を補うことで、更年期障害の症状は改善できます。
イソフラボンは女性ホルモンと同じように働き、更年期特有のつらい症状の改善をサポートしてくれます。
その具体的な効果を、みていきましょう。
女性ホルモンには、肌の調子を整えたり髪の健康を維持したり、女性の美しさや身体の機能を維持する働きがあります。
女性は45歳頃から女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが減少していきます。
早い方では40歳前後からエストロゲンの量が減少していき、女性ホルモンのバランスが乱れてしまいます。
イソフラボンには、エストロゲンと同じような働きをする「エストロゲン様作用」があります。
エストロゲンに比べると、その作用は穏やかです。
イソフラボンは不足したエストロゲンの働きを緩やかに補ってくれるので、身体に負担を与えることなく女性ホルモンのバランスを
整え、更年期の症状改善に働きかけます。
私たち日本人は、日常的に豆腐や味噌、しょうゆなど、大豆製品を食事から摂取しています。
この大豆製品に多く含まれているのが、イソフラボンです。
中でも、アグリコン型と呼ばれるイソフラボンがエストロゲンと構造が似ているため、その働きも非常によく似ています。
大豆製品に含まれているイソフラボンは、腸内細菌の働きによって分解されます。
そしてアグリコン型に変換されることで、女性ホルモンのバランスを整えられるようになるのです。
このアグリコン型イソフラボンは、更年期障害の様々な症状の改善に作用してくれますが、特にホットフラッシュの改善に
高い効果を発揮します。
岐阜大学の永田知里博士が、高山市に住む34~54歳までの更年期前の女性1106人を対象に、イソフラボンとのぼせ、ほてりの症状の
改善について調査を行いました。
全員が普段どれだけイソフラボンを含む大豆製品を摂取しているかを調べ、6年後に再び調査を行ったところ、
101人の方がのぼせやほてりの症状を訴えていました。
年齢や摂取エネルギー量、更年期症状などのデータと照らし合わせたところ、
大豆製品を多く摂取している人は、のぼせやほてりの発症率が約半分まで軽減していました。
この結果から、イソフラボンを含む大豆製品には、更年期にあらわれるホットフラッシュの症状を軽減させることが明らかに
なったのです。
普段からイソフラボンを摂取しておくと、更年期障害の症状の予防にも役立てることができます。
更年期障害の症状は原因が自律神経の乱れによるものなので、検査をしてもどこにも異常が見当たらない場合も少なくありません。
そのため原因を発見できないこともあり、本人にしかつらさがわからないものです。
このような症状を不定愁訴と呼び、更年期は長引く不定愁訴の時期といえます。
重症化すると日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。
そのため、日常的に大豆製品からイソフラボンを摂り、ホルモンバランスを整えておくことが大切です。
ただ、大豆製品は毎日だとパターン化してしまい、続かない場合もあるでしょう。
手軽に摂取するなら、イソフラボンのサプリメントがおすすめです。
サプリメントなら、体内に吸収されやすいアグリコン型の状態で取り入れられるので、効率よく摂取できます。
イソフラボンサプリメントを上手に取り入れ、更年期の時期を健康的に過ごしていきましょう。