近年はイソフラボンの知名度が上がり、多くの方から支持を得られるようになりました。
それと同時に、エクオールという成分にも注目が集まっています。
イソフラボンは女性ホルモンの調整に役立つことで注目を集めていますが、実はイソフラボンの効果には個人差があることが明らかになったのです。
それにはエクオールが大きく関わっているのですが、エクオールとは一体何なのか、イソフラボンとは違うものなのか、詳しくご紹介していきます。
イソフラボンとは、大豆に含まれるポリフェノールの一種で、女性ホルモンのひとつ、エストロゲンと似た構造を持つ成分です。
分子構造が近いことからエストロゲンと同じような作用を持ち、不足しやすいエストロゲンの代わりとして働きます。
この働きを「エストロゲン様作用」と呼び、女性ホルモンのバランスを整えるうえで重要な役割を果たしています。
イソフラボンが持つエストロゲン様作用は、女性特有の症状改善に高い効果を発揮します。
イソフラボンは女性ホルモンのバランスを整えるため、他にもシワやシミを取り除く美肌効果、バストアップやダイエットなどプロポーションの維持にも大きな効果が見込めます。
さらに、多くの女性を悩ませる肩こり、冷えなどの症状改善にも効果的な成分です。
エクオールとは、イソフラボンに含まれているダイゼインという成分が代謝されて作られる物質です。
イソフラボンの成分の中でも特に女性ホルモンに近い働きをすることから、スーパーイソフラボンとも呼ばれています。
そのため、高いエストロゲン様作用を発揮し、様々な症状に対して、イソフラボンの他の成分を凌ぐ効果を得られるのが特徴です。
ダイゼインが腸内に吸収されるとき、腸内に10種類以上存在するとされるエクオール産生菌の働きによって代謝されます。
特にラクトコッカス20-92という乳酸菌は、ダイゼインをほぼ100%エクオールへと変えてくれる優れた働きを持っています。
つまりエクオールとは、摂取したイソフラボンの成分であるダイゼインが変換されて作り出された物質なのです。
エクオールを体内で変換できるのは、欧米人では3人に1人、日本人でも2人に1人の割合です。
この違いはどこにあるのか、みていきましょう。
日本人は欧米人に比べて、エクオールを作りやすい環境にあります。
体内で作られる栄養素の多くは、加齢とともに減少していきますが、エクオールは反対に年齢が若いほど減少する傾向がみられます。
その理由は、食生活が大きく影響しているとされています。
大豆製品を摂る機会の多い日本人は、約50%の割合でエクオールを作ることができますが、若い世代に限っていえば20~30%といわれています。
これは年代が若い人ほど、大豆製品の摂取量が減っているのが原因と考えられています。
近年は海外の食文化を取り入れる機会が多くなり、ますますその傾向が強くなっています。
厚生労働省が発表している「性年齢別豆類平均摂取量の比較」をみると、40代以下の女性は世代が若くなるにつれ、豆類の平均摂取量が少なくなっています。
ちょうどエクオールを生成できない世代と重なり、このデータからも食習慣が全く影響していないとはいえないのです。
イソフラボンが持つエストロゲン様作用は、エクオールによるものとされています。
そのためエクオールが生産できないと、女性ホルモンの調整がうまくできなくなると考えられます。
更年期にあらわれる不定愁訴、特にホットフラッシュと呼ばれる発汗やほてりの症状は、エクオールを作れない方のほうが症状が重い傾向にあります。
作れる人であっても腸内環境は毎日変化するため、エクオール産生菌が活発に働かないこともあります。
また、イソフラボンは体内に長時間とどめておくことができず、1~2日程度で排出されてしまいます。
ですので、イソフラボンは毎日摂取するのが理想的なのです。
イソフラボンには、蒸し大豆や豆腐などの加工食品に含まれるグリコシド型と、味噌やしょうゆ、納豆などの発酵食品に含まれるアグリコン型の2種類あります。
このうち、体内に吸収されやすい形で存在しているのは「アグリコン型イソフラボン」です。
このアグリコン型はさらに3種類の成分に分類され、その中のひとつにダイゼインが含まれています。
そのため、腸内環境を整えエクオール産生菌を増やすには、アグリコン型イソフラボンを積極的に摂るのが重要です。
エクオール産生菌は、ストレスや生活習慣の影響を受けやすく、腸内の量は日々変化しています。
安定してエクオールを作り続けるには、運動や睡眠をよく摂り、ストレスを溜め込まないようにするのも大切です。
同時に、イソフラボン摂取も忘れてはいけません。
エクオールが作られる割合は、ほとんど食べない人に比べて、毎日食べる人は2倍も多く作られるという調査結果もあり、毎日の摂取が効果的です。
とはいえ、毎日となると難しい場合もあるでしょう。
食事で補えないときは、イソフラボンサプリメントがおすすめです。
サプリメントなら体内に吸収されやすいアグリコン型が含まれているので、エクオールの生成にエクオールが活躍してくれます。
大豆製品は意外と不足しやすいので、毎日の食事に取り入れていきましょう。